2024/03/11
こんにちは、心療内科医のゆうです。多くの患者さんが、ブログをきっかけにメモを持参して頂き、日々の診察や待ち時間の短縮につながっています。ご協力頂き、誠にありがとうございます。今回は心因性嘔気・嘔吐症についてお話したいと思います。
心因性嘔気・嘔吐症は正式な病名ではなく、正確には中枢性嘔気・嘔吐症と呼ばれます(これも正式な病名ではありません)。他には嘔吐恐怖などとも呼ばれます。この疾患は器質的異常や精神的異常(例えば適応障害など)を認めないにも関わらず、吐き気や嘔吐、他人が吐いている場面を見て自分も気分が悪くなるなどの症状が長期間続く状態を指します。その結果、食欲不振や乗り物酔いなどの問題が生じます。抗がん剤治療や他の疾患の治療中に嘔気が生じた場合でも、それらの治療が終了した後も嘔気が続く場合は、この疾患の可能性を疑います。先日、ある芸能人がネット記事でこの疾患について話されていましたが、この疾患は薬物療法がとてもよく効くので今回ブログに取り上げました。
当院では薬物療法と並行してその奥底に隠れている心理面からのアプローチを行い、薬なくても症状がなくなったと判断した時点で終診といった治療の流れになります。
もし嘔吐恐怖で困っている場合は一度クリニックにいらっしゃってください。