2023/12/15
こんにちは、心療内科医のゆうです。
皆様には日頃から診察の際にメモをお持ちいただき、診察や待ち時間の短縮につながっています。ご協力いただき、誠にありがとうございます。
今日は起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation;OD)や季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder;SAD)についてお話ししたいと思います。この2つの病気は全く別物ですが、共通するのは「起きるのが辛い」「午前中がだるい」という点です。ODは主に小児から思春期にみられる症状であり、こういった子供に多い、という特徴はありません。ODは原因不明の自律神経機能不全によって生じるとされています(決して心の問題やなまけ病ではありません)が、感染症後に多く認める印象があります。一方でSADは別名冬季うつと呼ばれていて、うつ病の一つとなります。しかし、過眠(通常のうつ病では不眠)、食欲が増す(通常のうつ病では食欲低下)、春になると回復するという点が通常のうつ病とは異なります。SADの原因は日照時間の不足が原因であるため、日照時間が短くなる冬場に症状が強くなるわけです。そのため、なるべく朝起きて日に当たる(家の窓際で過ごすだけでも有効です)ことが大切です。どちらの疾患も症状により、日常生活に支障を来すことが問題となります。またODやSADと思われていて、実は別の疾患が隠れている場合もあります。もし自分や家族がこれらの症状に当てはまるようでしたら、一度クリニックにいらっしゃってください。