2023/05/29
こんにちは、心療内科医のゆうです。
今日はパニック障害についてお話したいと思います。パニック障害は、突然の動悸や過呼吸、冷や汗や吐き気などが生じ(パニック発作)、それが一定期間続くことによってパニック障害と診断されます。パニック発作自体はパニック障害以外の疾患でも生じますが、パニック障害の場合、ある特定の状況・条件で生じることがポイントとなります。人間の頭の中には不安を受け取る扁桃体という部位があり、ある特定の状況・条件により、この扁桃体で不安が惹起し、パニック発作、ひいてはパニック障害になる、というわけです。
パニック障害の治療としては薬物療法、曝露療法、認知行動療法などがありますが、当院では薬物療法で不安を限りなく軽減させた状態を作り、苦手になった状況に徐々に慣れ、「成功体験」を積んでもらう暴露療法を行っております。
他の疾患でもそうですが、時々パニック障害があるために、進学や就職、旅行などを諦めている患者さんがいらっしゃいます。パニック障害の場合、薬がとても良く効きますので、薬を使ってでも行動範囲を広げてもらうようにすることが人生のQuality Of Lifeにも繋がりますし、治療的な意味合いを持つと考えています。
パニック障害があるから出来ない、と諦めず、一度クリニックにいらっしゃって、ご相談ください。症状の改善方法を一緒に考えていきましょう。